医療脱毛について
医療レーザー脱毛とは
エステサロンではなくクリニックで脱毛をする場合は、レーザー脱毛をすることが一般的です。レーザー脱毛と聞くと、言葉のイメージから「痛そう」「怖そう」と思われがちです。しかし、クリニックでの脱毛は資格を持った医療従事者が行う「医療行為」であるために、エステサロンでは得られない安全で効果的な脱毛が可能なのです。
それでは、レーザー脱毛のメカニズムを説明します。レーザー光はエネルギーの高い光の一種で、エネルギーの大きさによって、特定の色や物質に作用します。現在、さまざまな医療分野で、この性質を利用した医療行為が行われており、医療脱毛もその一部です。医療脱毛で使用されるレーザー光は、毛根の黒い部分に反応するように調節されています。
このレーザー光が黒い毛根に照射されると、毛根の組織がレーザーのエネルギーで破壊されます。毛根は発毛を司る部位なので、一度破壊されると発毛しにくくなります。加えて、レーザー光は黒い部分にしか反応しないので、皮膚自体にダメージはありません。
医療レーザー脱毛の種類
アレキサンドライトレーザー
冷却と同時にレーザー光を照射する方法です。痛みが比較的弱く、レーザー光照射時に使用するジェルも必要ないのが特長です。
YAGレーザー
アレキサンドライトレーザーは、黒い箇所に過敏に反応してしまうので、色黒の方や日焼けした方には向きませんでした。しかし、このレーザー光は色黒の方でも痛みが少なくて済みます。濃い体毛にも使えます。
ロングパルスヤグレーザー
医療用レーザー光の中でも、もっとも黒に反応しやすいので、体毛の中でも濃くて太い部分の脱毛におすすめです。
ダイオードレーザー
脱毛機器の照射部分が他のレーザー光の部分よりも広く作られています。１回の照射面積が広くなるので、比較的短時間で脱毛が終了します。
G-MAX
１回の照射面積が広く、かつ色黒や日焼けした方でも痛みが少ないレーザー光です。
ライトシェア·デュエット
医療レーザー光の中でエネルギーは弱いほうですが、皮膚を伸ばしてから照射するので効率が良く、痛みも少ないです。
ニードル脱毛
一昔前までの医療脱毛の主流でした。毛穴の1つ1つに細い針を入れて、毛根を焼き切る脱毛方法です。レーザー光脱毛と比較すると、完璧な永久脱毛に近くなるものの、痛みもかなり強くなります。また、時間もお金もかかるので、最近ではあまり取り入れられていません。
エステサロンとの違い
使用機器
永久脱毛ができるのは、医療脱毛だけです。医療レーザー光を照射し毛根の細胞を破壊する、という行為は「医療行為」にあたるので、医療機関ではないエステサロンでは禁止されています。前記の通りエステサロンでは医療レーザー光は使用できないので、フラッシュ脱毛という強力な光をあてて脱毛する方法が一般的です。この方法では、毛根の細胞を破壊することはできず、少しダメージを与えるという程度です。
対応できる毛の種類
色素の薄い産毛や、逆に男性の濃いひげなどは、脱毛はとても難しいです。エステサロンならば時間がかかる、もしくは痛みが強くなるような脱毛になりがちですが、クリニックならば医師の診察により適切な脱毛方法で脱毛できます。
回数や期間
脱毛は1回のレーザー光では終わりません。毛の発毛には毛周期とよばれる成長サイクルがあり、抜けて、皮膚の中で育って、皮膚から生えて、を繰り返しています。現在目に見えている毛は、毛穴全体の約3割といわれています。医療脱毛でも、エステサロン脱毛でも、複数回にわたって脱毛しければいけないという事は同じです。
ただし医療レーザー光脱毛のほうが脱毛効果が高いこと、さらにクリニックでの脱毛ならば、医師や看護師がしっかりと毛や皮膚の状態を診察しているので、エステサロンの脱毛よりも、はるかに効率的に脱毛をこなせること、などから回数や期間は圧倒的に医療脱毛のほうが少なくて済みます。時間の無い方には医療脱毛がおすすめです。
医療従事者のいる安心感
診察
当たり前ですが、医療用レーザーを用いた脱毛は医療行為なので、医師の診察が必要です。一方、エステサロンでのカウンセリングはエステティシャンが行うことが多いです。エステサロンとしても、経験豊富なエスティシャンを担当させたり、エステサロンの口コミから勉強したりしているようですが、医学的見解からのアドバイスを適切に行えるのは、クリニックだけです。
またクリニックでは、照射という行為も研修を受けた医療従事者が行っています。なので、その場で最適なレーザー出力を調整して、一番安全かつ一番効果的に脱毛できるよう、医療従事者は判断していきます。
しかし、エステサロンでの脱毛には資格が必要ないので、一般人のエステティシャンが行っています。中には、効果の非常に弱い家庭用脱毛器を使用して脱毛しているエステサロンもあるようですが、もちろん法律的には何の問題もありません。
皮膚トラブル
脱毛期間中は、意外とトラブルも多いものです。やけど等のトラブルが起こった場合でも、クリニックならば即時に医師の診断を受けて治療が行えます。一方、エステサロンには医師は常駐していないので、迅速な治療は望めません。
ただし、最近では医療機関と提携しているエステサロンも多いので、医師の治療を受けることも可能になってはいます。それでも医師が常駐しているわけではなく、迅速さでは敵わないので、やはりクリニックがおすすめです。
麻酔
エステサロン脱毛と比べ、医療脱毛は効果が高いぶん痛みも強い傾向にあります。近年では脱毛機器の進化によって、従来よりも格段に痛みを和らげることが可能になっています。それでも痛みに弱い方、痛みに恐怖を覚える方もいらっしゃるでしょう。
クリニックならば、ジェルのように塗布するタイプの麻酔や、歯医者でも使用されている麻酔などを使用して、ほぼ無痛での施術が可能です。麻酔も医療行為なので、もちろんエステサロンでは麻酔のオプションはありません。
医療関連以外でのメリット
勧誘なし
一般的なクリニックでの脱毛ではほとんど勧誘はありません。これは、医療行為を行う機関として患者の治療に専念する、というポリシーを持つ医者が多い為、といわれています。しかし、エステサロンでは勧誘は日常茶飯事です。エステサロンで検索すると、良い口コミよりも、勧誘が嫌という口コミのほうが多いくらいです。
エステサロンでは塗布するジェルや美容液などの付属品、脱毛回数の増量、別の痩身コースの追加など、あらゆる手で勧誘してくることが殆どです。これは、エステサロンの立場からすれば、利潤を追求するという企業として正しい姿勢ですが、利用者の立場からは迷惑以外の何物でもありません。
回数で割る
クリニックでの脱毛とエステサロンでの脱毛料金を比較すると、クリニックでの脱毛のほうが圧倒的に高いです。しかし、前述のとおりエステサロンでは効果の弱い脱毛機器を用いるので、通う期間は数年必要です。
加えて、数年後に再度発毛してきたら、また数年かけて脱毛しなければなりません。クリニックでの脱毛は、一般的には2年以内に終了する方がほとんどです。脱毛料金を回数で割れば、1回あたりにかかる料金は、実は同程度かクリニックのほうが低くなるということもあります。
破綻
医療機関である脱毛クリニックは、余程のことがない限り経営破綻しにくい状態です。しかし、エステサロンの倒産はよく耳にします。通っていたエステサロンが倒産してしまったため、連絡がつかない。
高い全身脱毛代と痩身コース代と美容ジェル代が返却されないかもしれない。契約途中の脱毛コースをどうすればいいのか。など、ネットを探せばエステサロンの倒産による、利用者の悲痛な口コミがいくらでもあがってきます。
